須賀川瓦斯株式会社

須賀川瓦斯株式会社

地域と共に歩む、地域の総合エネルギー企業

須賀川瓦斯サイト http://www.sukagawagas.co.jp/

供給エリア 福島県を中心に東北、東京各電力管内
小売供給の開始時期 高圧:2015年4月
低圧(事業所など):2016年4月

低圧(家庭):2016年4月
事業対象(販売先) 主に福島県内の企業、自治体、事業所、家庭など
電源構成 FIT電気(太陽光) 6.24%
再エネ(太陽光) 3.71%
その他 90.05%
〈2022年度実績〉
FIT電気(太陽光) 7%
再エネ(太陽光) 4%
その他 89%
〈2023年度計画〉
電源の調達先等 市民電力からの調達:行っていない
一般家庭の太陽光(余剰)買取:可(東北電力管内)

卒FIT太陽光買取:可
高圧販売:可(東北・東京のみ)
調達している再エネの設備容量 自社で設置した太陽光発電 111箇所分
電源構成などの開示・表示方法 ウェブサイトに掲載。CO2排出量も記載する。http://www.sukagawagas.co.jp/Templates/PDF/kousei.pdf
需給調整 自社
会社情報 本社所在地:〒962-0053 福島県須賀川市卸町44
設立年月日:昭和34年5月7日

代表者名:代表取締役社長 橋本 直子
資本金:2,200万円
関連会社:SGソーラー株式会社
現在の事業内容:
LP ガス事業・オートガススタンド・空調及び厨房他各種設備機器販売・建築設備工事・三菱商事石油SS(サービスステーション)経営・自動車車検・修理整備・中古自動車買取販売・各種自動車用品販売・損害保険代理店業務・各種工業用オイル・石油製品販売・薬局経営・酒類販売ディスカウント店経営・フィットネスルーム経営・太陽光発電事業 他
小売電気事業者登録:A00011(登録日:2015年10月8日)
お問合せ URL:http://www.sukagawagas.co.jp
TEL:0248-75-2188

FAX:0248-76-5596
Email:yuh@sukagawagas.co.jp

須賀川瓦斯株式会社 取締役 橋本直子氏

●電力小売事業を始めたきっかけはなんでしょうか?

 須賀川瓦斯は、ガスが本業ではありますが、ガソリンスタンドや自動車、薬局や酒類のディスカウントショップもやっています。加えて、震災がきっかけで太陽光発電事業を始めました。当初は、再エネの固定価格買取制度で太陽光の買取価格が高かったこともあって、事業採算性もありました。もともとはそれで終わりだったのですが、地産地消を模索する中で、電力供給も行うことにしました。自社で建設した太陽光発電は、今年9月で77箇所になり、100箇所を目標にしています。建設を始めたら、地元の人たちから「うちの土地を使ってほしい」と申し出を頂くようになりました。そうやって貸していただいた遊休地に50kW規模のものからメガソーラー規模のものまで、その規模や形状に合わせて発電所を作っています。ほかには、今後水力、下水道、小規模バイオマス(田村市都路など)も開発予定です。

●事業対象やエリアの特徴は何でしょうか?

 福島県の地域新電力ということです。東北電力管内で供給をおこなっており、県外からもお申込を頂くことができますが、基本的には地元にこだわっていきたいと考えています。9月より、東京電力管内にも販売できるように現在準備を進めております。東京電力管内への販売を目指す理由の一つは、福島県の企業で関東に事業所を持っているところも多いのですが、お客様にまとめて供給を頼まれる事も多く、そのニーズに対応する為です。もう一つは、福島でがんばる会社を応援したいという東京の人のためです。安さではなく、例えばふるさと納税のようなかたちで、東電と同等もしくは少し高くして、1年に一度地元の産品が届くようなことも考えています。9月以降に先行申込の受付を開始する予定ですが、お申込を頂いた東京電力管内の低圧の需要家様には、数に限りがあるので先着順にはなるのですが、岩手・宮城・福島の間伐材を利用して作った割り箸セットといった地元産品を記念に差し上げようと現在検討しております。

●もっとも苦労している(した)ことはなんでしょうか?

 やはり電源の調達です。自社で建設した太陽光発電のうち約76箇所分を自社で供給していますが、今後は自社買取は見合わせざるを得なくなっています。理由は回避可能費用の算定方法の変更で、インバランス調整が難しいため、大きな打撃となっています。以前の制度であれば、回避可能費用がある程度の一定であったので、自社の発電所からの調達も安定していましたが、今後は激変化緩和措置の対象外となってしまい、市場価格との連動により回避可能費用が決定する為、調達に際して不安定な状況になります。事業安定性の観点から当面は新規調達ができなくなっており、例えば福島県が主導で小名浜の被災地に設置しているメガソーラーや大規模な風力発電の電源を本来なら福島唯一の地域新電力である弊社が調達し、県内の各行政や事業所に供給することが理想ではあるのですが、現状の制度ではなかなか難しいというのが正直なところです。市民電力の電気も、残念ながら同じ理由で買うことが難しくなっています。
 託送料金が高いことも大きな課題で、特に東北電力エリアでは電気代が低いこともあって事業の採算性を圧迫する一つの理由となっております。電力事業は粗利が大きいわけではないので、採算性を確保するのに苦労しています。とはいえそれも覚悟です。大手電力からの乗り換えで、既に弊社の供給先100件余りの電気代削減額合計は1億円を超えました。福島県内のお客さんが、弊社への電気の切り替えによって削減したお金(総額1億円、事業所単位では20万~数百万、平均年間削減額100万円程)を、別の形、例えば地元の雇用や新たな設備への再投資などに回すことで、地元に直接的にお金が落ちることになります。エネルギーもお金も地域で回す、これが重要で、当電気事業が地域の経済活性につながっていくことを目標にしています。

●将来のビジョンを教えてください。

 今後は、蓄電池の導入を考えています。FIT電気の調達ではなく、蓄電池で自家消費することが将来的には理想と考えています。でも最終的な目標は、電気を単に売る、というだけではなく、地域の雇用を支える企業として、会社を存続させることです。200人の社員とその家族がどうやって生計を立てていけるか。働く場所がなければ、人は集まりません。人が集まらなければ経済はなりたちません。地元で雇用を継続的に創造していくことが重要です。そのためには、エネルギーだけにこだわらないこと。当面は再エネです。太陽光発電の設置で、メンテナンスや施工など、実際に震災後新設した弊社の電気事業部は18名程になっており、地域の雇用につながっていると思います。

(2016年8月)