電力ガス取引監視等委員会に申し入れをしました

大手電力会社が低価格の提示をして、新電力から契約を取り戻す事例が相次いで聞かれます。

パワーシフト・キャンペーンでは、2019年1月に、いくつかの事例をまとめたリリースを発表していましたが、11月12日、この件で改めて、電力取引監視等委員会に申し入れをしました。新電力会社の方1名、コンシューマネット・ジャパンの古賀真子さん、運営メンバーの都甲、田渕、吉田で訪問しました。

こちらが、その内容です。
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電力ガス取引監視等委員会 御中
「電力取引に関する申入れ」

2019年11月12日
パワーシフト・キャンペーン運営委員会

2019年、電力自由化から3年を迎えました。新電力の販売電力量シェアは約15%となり、全面自由化前の約5%から伸びています。しかし新電力の存在感が大きくなるにつれ、大手電力会社(旧一般電気事業者のみなし小売電気事業者)の大幅値引きによる巻き返しも激しくなり、新電力業界に深刻な打撃を与えています。

再エネ供給を目指す新電力も例外なく脅威にさらされています。多数の契約を取り戻されたり、営業努力が無駄になったり、ぎりぎりまで価格を抑えるために経営が圧迫されたりといった状況が続いているといいます。理念にかかげる地域でのエネルギー調達・地域への供給を進めるためのリソースを残すことも容易ではない状況です。

貴委員会において、ぜひ詳細な状況の調査を行い、具体的な指導・改善を検討くださるよう、何卒お願い申し上げます。
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電力ガス取引監視等委員会(以下監視等委員会)では、競争状況を監視するために2019年9月より「小売市場重点モニタリング」を行い、新電力会社などの情報提供を呼びかけています。

それ以前からも、多数の事業者から声が届いていたと言います。
監視等委員会によれば、自由な競争のなかで値引きは自由だが、市場価格を下回るような行き過ぎた廉売は問題、そのような事例があれば教えてほしいとのこと。また、需要家が相見積もりを取った結果、大手電力を選択するケースもあるため、需要家の声も聞きたいとのことでした。

具体的な需要家名や価格を挙げて紹介することは、新電力会社にとってもなかなかできることではありません。「明らかにアウト」な事例を申告することは容易ではありませんが、グレーな事例が多数あることも確かです。

パワーシフト・キャンペーンでは、監視等委員会に引き続きグレーな事例も含めて詳細な調査をしていただきたいと考えています。

新電力のみなさまにはぜひ、「重点モニタリング」への情報提供をいただくとともに、その様子をキャンペーン事務局にも共有いただけたら幸いです。

電力ガス取引監視等委員会「小売市場重点モニタリングについて」
https://www.emsc.meti.go.jp/info/business/monitoring/index.html


運営委員会事務局(吉田、田渕、都甲)