(消費者庁からも回答あり)電力市場価格高騰に対応を求めます

電力市場価格の高騰が、4月以降も続いています。
パワーシフト・キャンペーンでは4月15日、政府に具体的な対策を求める要請書を、経済産業省電力ガス取引監視等委員会と、消費者庁に対して提出しました。
https://power-shift.org/220415_jepx_yousei/

要請書の中で質問への回答も依頼していましたが、5月18日、消費者庁からもメールにて回答をいただきましたので、その内容をお知らせします。

なお、電力ガス取引監視等委員会からは4月27日に回答をいただいています。
https://power-shift.org/220428_jepx_yousei/

<消費者庁からの回答(5月18日)>———————————-
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1.市場価格高騰が今後も続けば新電力の電気料金の値上げが避けられないおそれ がある。このような消費者への負担増大のリスクについてどう考えるか。 

新電力が提供する電気料金プランは様々であり、一概には語れないものである と承知していますが、消費者においては、まず、契約時にどのような内容である のかを確認することが重要です。例えば、一部の市場価格に連動して小売電気料 金が決まる料金プランである場合には、市場価格が高騰した場合には電気料金も それに応じて高騰するリスクがあることを十分に認識していただく必要がありま す。 なお、現下においては、天候不順や世界的な需要拡大等による原油価格やLNG価格の高騰などに加え、昨今のウクライナ情勢による影響も踏まえて、電気料金の動向については注視していく必要があると認識しております。 まずは、所管省庁である経済産業省において、適切に対応されるものと考えて おりますが、消費者庁としましても、消費者への負担が過度に生じることのないよう、引き続き注視してまいります。

2.新電力の倒産や事業停止、新規受付停止が今後も増加すれば、消費者の再エネ 選択が大きく制限されるおそれがある。この状況についてどう考えるか。 

「電力の小売全面自由化」により、様々な事業者が電気の小売市場に参入して くることで、新電力を含めた電力会社の選択が可能となりました。 仮に新電力の倒産や事業停止等が今後増加し、電力会社を自由に選択できなくなるとすれば、電力小売全面自由化の趣旨に反すると考えます。

3.今後どのような対応策を検討しているのか。 

新電力の参入により、消費者が自由に電力会社を選択できるようになることと 同時に、参入者が増加することで競争が活性化し、様々な料金メニューやサービ スが登場することが期待されます。 こうした健全な競争環境において、消費者が正確な情報の下に、個々のライフ スタイルに合わせた適切な選択を行うことができることが大切です。 消費者庁としても、消費者への影響を注視してまいります。 加えて、消費者庁としては、消費者を誤認させるような行為や異常な物価高騰、 安定的な電力供給が脅かされるような事態などが生じないよう注視していくとと もに、必要に応じて、経済産業省とも連携して適切に対応してまいります。

※ このたびは、期日までに回答ができず、対応が遅くなりましたことを、深くお 詫び申し上げます。 以上

ここまで———————————-

回答をいただくことができ、また消費者庁としても、消費者への負担や電力会社の選択の自由を考慮し「電力小売全面自由化の趣旨に反する」おそれがあるとの認識をいただけたことは一歩です。

しかし、大手電力の事実上の独占状態が続く限り、状況の解決は見込めません。
「消費者への負担」「電力会社を自由に選択できなくなるとすれば、電力自由化の趣旨に反する」事態はすでに起こっています。
消費者庁からも、経済産業省への働きかけを望みます。

(2022年5月 パワーシフト・キャンペーン運営委員会)