2025年4月、電力小売全面自由化から9年を迎えました。
2024年は再エネ供給をめざす新電力にとって再起の1年でした。
2022年度の市場価格高騰による損失を克服し、
「再エネを選ぼう」の呼びかけも、改めて広げることができました。
一方、新たな試練もあります。
2024年度には容量市場の拠出金支払いが始まりました。
容量市場とは、実質的に既存の火力発電や原子力発電を、大規模電源を持たない新電力が支えるしくみです。
多くの新電力にとって、kWhあたりに換算して概ね2円程度(毎年変動)の負担です。
値上げをしたり、値上げを検討しているところも多くあります。
大手電力との経営格差は広がる一方です。
容量市場の変形である「長期脱炭素電源オークション」も始まりました。
LNG火力や水素・アンモニア混焼、CCSなども対象となり、実質的に化石燃料の延命です。
2024年度は、エネルギー基本計画の見直しも行われ、原子力推進が強化されました。
電力システム改革の検証でも、「安定した脱炭素電源」を確保していくために
さらなる支援策をつくっていくことが書き込まれました。
今後ますます、先行きの見えない原子力や化石燃料延命に注力する流れが作られています。
しかし現実を見れば、それらのコスト高やさまざまな課題による実現可能性の低さは明らかです。
気候危機が深刻化し、災害、健康影響、物価高騰などさまざまなかたちで
わたしたちのくらしに影響を与えています。
省エネ・再エネへの転換が鍵であることに疑いの余地はありません。
地域から、企業から、市民から、すでに起きている変化をもっと大きくしていく必要があります。
パワーシフト・キャンペーンでは2025年2月、生活困窮者支援団体と連携する
「パワーシフトHOMEプロジェクト」を新たにスタートしました。
化石燃料が原因となって起きている気候危機や電気代高騰。
その影響をより深刻なかたちで受けるのは、生活困窮者など社会的弱者です。
原発や原発事故後の被ばく労働にも、社会的弱者が携わってきました。
そこで、社会的弱者もふくめてみんなが「持続可能な再エネ」を使える社会を目指します。
これから、ソーラーシェアリング農園やイベントで交流するなど、
ひろがりが楽しみです。
みなさんの応援とご参加を、引き続きよろしくお願いいたします!
(2025年4月1日)
・パワーシフトHOMEプロジェクト
・「再エネ中心・公正な電力政策を!逆行するシステム改革に意見」2025年3月7日