2017年11月14日
パワーシフト・キャンペーン運営委員会
電力自由化から1年半、電力会社切り替えをめぐる状況や今後の展望を把握するべく、パワーシフト・キャンペーンのウェブサイトから「パワーシフト宣言」に参加した、もしくはパワーシフト・キャンペーンの運営団体の1つである国際環境NGOグリーンピース・ジャパンのウェブサイトから「iSwitch」に参加をしてくださった方にアンケートを実施しました。
約16,000名にメール送付したうちの1,001名から回答を得、切り替えに関して声をいただきました。
●実施概要
実施主体: パワーシフト・キャンペーン運営委員会、グリーンピース・ジャパン
アンケート対象:「パワーシフト宣言」もしくは「iSwitch」参加者のうちメールアドレスがわかる方 合計 約16,000名
有効回答数: 1,001件
実施期間: 2017年 8月31日~9月18日
アンケート方法: eメールで質問票を送付、フォームへの入力で回答
アンケート内容・結果の詳細(PDF):
「おうちの電気、もう切り替えた?」アンケート結果
●まとめ
1.アンケート結果のまとめ
- 「パワーシフト宣言」もしくは「iSwitch」に参加したアンケート回答者(自然エネ電力選択に関心の高い層)のうち約64%がすでに電力会社の切り替えをしていました。
- 切り替えた電力会社は、ガス会社等も多いものの、生協系電力会社などパワーシフトで紹介している電力会社への切り替えも235件(36.4%)ありました。
- 電力会社を切り替えた理由として、東京電力福島第一原発事故をきっかけとして原発を保有する大手電力会社への不信感、および原発でなく自然エネルギーへシフトしたいという思いを強く感じる結果となりました。料金が安くなることよりもエネルギーシフトや持続可能性を優先した選択をしたいという意思が実際のアクションに繋がったことが伺えます。
- 一方で切り替えをしていない理由としては、地域で切り替えたい電力会社がない、自宅に太陽光発電を導入しているが買い取りしてくれる会社が少ないなどといった点が挙げられました。これは、地域に切り替えたい電力会社が登場するなど環境が整ったり、太陽光発電で発電した電力の売電先とは別の電力会社にも切り替えることができるなど必要な情報が届いたりすれば、パワーシフトする方が多くなる可能性があることが見て取れます。
- さらに、具体的な電力会社の情報があると切り替えやすいという意見も多数あり、環境団体等からのPR、キャンペーンおよび報道等での情報提供によりさらに切り替えが進むことが予想されます。
- 切り替え手続きの方法や、集合住宅での切り替えなど、基本的な情報についても、まだ疑問やあいまいな理解があることもわかります。勉強会やイベントなどの機会や、ウェブサイトやちらしなどを通じた説明や広報が引き続き求められています。
2.消費者の声で自然エネルギーへのシフトを後押ししよう
- 2017年7月時点で、新電力のシェアは約12%となり、電力小売全面自由化前(2016年3月)の5%から大きく拡大しています。また、旧一般電気事業者から新電力へのスイッチング(低圧)は、約6%となっています。
- 全体でみれば、スイッチング先の大部分はガス会社や携帯電話会社、石油会社などの大手新電力ではありますが、自然エネルギーを重視する電力会社も各地に誕生し、少しずつではあっても着実に顧客獲得を進めています。このような電力会社の抱える壁はやはり、新規参入ゆえの「知名度」や「信頼性」です。
- そこで、環境団体や消費者団体、各地の市民団体による情報提供やパワーシフトを呼びかける活動が重要です。また、市民だけでなく企業・事業所でも関心のあるところが多数あります。各地で連携して呼びかけていきましょう。
<実施主体>
パワーシフト・キャンペーン運営委員会
〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-21-9 (FoE Japan内)
TEL:03-6909-5983 Email:info@power-shift.org
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
〒160-0023東京都新宿区西新宿8丁目13-11 NFビル2階
TEL:03-5338-9800 Email:energy.jp@greenpeace.org