森林破壊型の鴨川メガソーラーを語る
~2018年グリーンズ夏合宿のひとつとして
日時:2018年7月29日 9:00~11:00
場所:鴨川自然王国小屋
主催:鴨川メガソ-ラー建設の中止を求める会
講師:今西 徳之さん
HP URL:http://kamogawa-ms.chu.jp/
第2回 鴨川の山と川と海を守るつどい 資料
勉強会の小屋
・鴨川市田原地区に幅約1km、長さ約3kmの広大な山林を切り開くメガソーラーが計画されています。山は高いところで約60mけずり、谷を埋めてというこれだけ急峻な山林の大規模なメガソーラー開発は国内はもとより世界でも例がないと思われる。
事業者による事業地図左が鴨川有料道路、その右側に広がる森林が事業予定地の一部、北側から見る (鴨川の山と川と海を守るつどいより転載)
・誰が見ても環境破壊型開発であるにもかかわらず、それを規制し明確に止める法整備がない。
・規制としては千葉県の林地開発許可(千葉県知事案件)がある。ゴルフ場などの建設には審査基準が設けられているが、メガソーラーの審査基準はない。現在審査中とのこと。
・規模は約130MWで、国内最大の六ヶ所村の148MWに匹敵するものである。しかし六ヶ所村は平らな場所に設置しており、鴨川のように自然の山や谷を切り開くという破壊型とは少し異なる。
・出資者は関西電力、三菱UFJ信託などとしていたが、最近は非開示であり、隠れているようである。
それは環境破壊型開発へ関わっているという企業としてのイメージダウンを避けたいという思惑があるかもしれないとのこと。
・資源エネルギー庁による固定価格買い取り制度の認可については新制度への移行中と考えられるが詳細は不明である。
・地元の人も、冗談でこの森林はなにも役にたたないと話しているが、保水能力、生態系維持などの価値は失ってみないとその大きな損失はわからない。
・太陽光設備が寿命を迎えたときには、事業者は責任をもって片付けてくれるのかという懸念がある。そういうできてしまった後に管理する法律がないのが問題で、将来、鴨川市、千葉県にとっての負の遺産になる恐れがある。
<感想>
森林が持つ保水能力、水源、生態系を大規模に破壊して行う事業に対してはきちんとした法規制が必要だと思う。誰が見てもやめたほうが良いと思われるこのような開発も規制条令、制度などがなければ進めてしまうのだとあらためて危機感を感じる。メガソーラーがなければ再エネは普及しないといった誤った考えの広がりにも懸念する。環境省から再エネポテンシャルの報告書*1が出ているが、建物の上や、森林伐採をしないソーラー発電のポテンシャルは大きく、まずはそちらの普及を進めるべきであると考える。
(2018年7月 田渕)
*1 環境省https://www.env.go.jp/earth/ondanka/lca/2018/mat07_29.pdf
など