「全国メガソーラ問題シンポジウム」に参加聴講してきましたので報告します。
日にち:2018年10月8日
場所:長野県茅野市茅野市民館
主催:全国メガソーラー問題シンポジウム実行委員会、NPO法人地球守
参加者(筆者推定):約500人
参加者層(筆者推定):地元市民、関係者
□講演内容
「FIT法の何が問題か?」佐久裕司さん
「現代土木の限界と災害、大地環境の仕組みから、メガソーラの何が問題を診る」高田宏臣さん
「メガソーラーをやっつけろ!闘う住民のための十訓」梶山正三さん
□各地報告とパネルディスカッション
①長野県諏訪市四賀ソーラー事業
②千葉県鴨川池田地区(田原地区)メガソーラー事業
③静岡県伊豆高原メガソーラーパーク発電所
④愛知県知多郡東浦町メガソーラー計画
⑤三重県四日市足見川メガソーラー計画
・伊豆高原案件では、林地開発許可の審議会を4回も実施したものの、許可されてしまった。現状では不許可となることはありえない許可制度である。その中で4回の審議回数になったのは活動の成果ではないか。
・太陽光発電事業に関わる規制、条例、法律は以下①~④である。
①環境アセスメント
・全国で太陽光を対象にしている県は長野県、山形県、大分県の3件のみ
・その他なんらかの対象としている都道府県は29ある
・事業者自らが実施するため、都合の悪いチェック等は実施しないという問題点がある。
②林地開発許可
・通常許可されてしまう制度となっている
③市条例(ある場合)
・伊東市の例では、市長の同意が必要としているが、罰則規定がないと無視されてしまうという問題がある
④改正FIT法
・2016年改正FIT法では接続契約をしていないと許可が降りなくなった
・28GWが失効し、22GWが残っている
・法令違反が見つかれば経産省が調査し、取り消しできることになった。伊豆では市長の不同意のままに実行することは違法である、とする活動を実施している
パネルディスカッションのまとめでは、このようなメガソーラ問題は原発と同じ構図であり、それは大手資本、海外資本によるものであること、地方にお金は落ちないこと、自然は破壊されること、土地問題があることとした。
□聴講した所感
このシンポジウムで報告された5つの事例は環境破壊型、地元非同意型ソーラ発電として許されるものではない。太陽光発電事業で問題を抱える事例はこの他に多数あるが、地元住民の同意が得られていない計画はなんらかの問題があると考える。まず真っ先に改善すべきところは事業者による正確な情報開示と丁寧な説明であり、その上で何が問題かを議論すべきである。しかし現状では情報がないのに問題点を指摘しなくてはならないという不条理を感じる。そんな中、各地の活動では地道に情報収集を行い、整理をしているのは大変なことである。
パネルディスカッションでは、現状の太陽光発電事業に関係する制度の整理をしていただき、「環境破壊型」ソーラー発電計画を止めるためのヒントや力の入れどころを示していただいたのが良かった。
パワーシフト・キャンペーンは引き続き、持続可能なエネルギーとはなにかを考えて活動していきたいと思う。
<プログラム:主催者HP>
https://megasolarsympo.wixsite.com/-solar-sympo/blank-2
(2018年10月 田渕)