再エネを重視する新電力が相互に課題を共有し、政策課題に対しても連携した働きかけなどを行っていくための勉強会、第3回目は、8月20日(木)に、再エネ電力の表示・販売方法をテーマとして開催しました。
電力会社7社、運営メンバー、メディアなど約25名が参加し、「再エネ」「実質再エネ」として販売される電力の実際と、再エネ電気の売り方について議論しました。
消費者によりわかりやすく、そしてグリーンウォッシュでない中身のある再エネ調達を進めるために、「FIT電気+FIT非化石証書」=再エネと呼べるような制度変更も必要です。みんな電力の三宅成也さんに話題提供いただいて考えました。
【1】企業価値を高めるトレーサブルな再エネ電力の供給(みんな電力 三宅成也(せいや)さんより)
※資料はこちら
参考「コスト削減と再エネ導入を成功させる 最強の電力調達完全ガイド」(2020年8月20日、日経BP社)
・電力会社の「再エネメニュー」は、電源と環境価値(証書など)の組み合わせで、様々な内容がある。「再エネ以外の電気+非化石証書」で「再エネメニュー」とすることも可能であるため、電源構成など内容を見ることが必要。
・ガイドライン(電力の小売営業に関する指針)では、現在「再エネ」と表示できるのは非FIT再エネのみで、事実上ほぼ大規模水力による再エネプランのみとなっている。FIT電気を調達する再エネ新電力は、FIT非化石証書を調達しても「実質再エネ」となり「再エネ」と表示して販売することができない。
・一方で、「再エネ以外の電気+証書」の場合も「実質再エネ」と表示することができ、そのような「再エネ100%メニュー」もある。
・これではわかりにくく、FIT電源の調達につながらない。すでに豊富にあるFIT電源とFIT非化石証書の組み合わせを「再エネ」として活用を進めていくことが必要。再エネ賦課金の負担軽減にもつながる。
・みんな電力では、再エネ電源を集約する共有バランシンググループであるENECTパワープールを所有し、再エネ電源と需要家とをつないでいる。
・みんな電力の再エネ電力販売の実例紹介(資料参照)。
・自治体での再エネ調達も進みつつあるが、裾切り・最低価格落札方式では、やはり大手電力や大手新電力が有利。総合評価落札方式が必要。
【2】容量市場に関する意見交換
・前回の勉強会を受け、再エネ新電力から電力取引監視等委員会への申し入れを準備しています。
(2020年8月25日 パワーシフト・キャンペーン運営委員会)
第1回 5/26 「エネルギー供給強靭化法案」
http://power-shift.org/200526-seminar-report/
第2回 6/25 「再エネ新電力の危機―電力新市場」
http://power-shift.org/200625-seminar-report/