パワーシフトは誰にでもできる運動 ―スモン公害センター

 

一般社団法人スモン公害センター HP:  https://www.facebook.com/スモン公害センター-626743047412789/

選んだ電力会社: グリーンピープルズパワー株式会社(2018年8月~)

切り替えた施設: 事務所(東京都新宿区新宿)

その電力会社を選んだ理由、パワーシフトした理由:

・地球環境を守っていくことが重要
・パワーシフトを広める模範を示す
・電気を節約すると安くなる仕組みに魅かれて

私たちのセンターは、スモン病薬害事件(1960年代、整腸剤キノホルムの服用により1万人以上が神経障害を発生)訴訟に勝った後、薬害や公害の全国運動の拠点として活用していただいています。だからこそ、地球環境を守っていくことが重要と考えています。

でも、関係者のなかで実際に電力会社を切り替えたメンバーはまだ少ないです。2018年、原発被害調査で福島に向かうバス視察を企画しましたが、参加した約40人のうち、2割位しか変えていませんでした。大気汚染公害被害者での豊田市に向かうバスでは約1割でした。そこで、再生可能エネルギーを志向する会社に電気会社を切り替える運動を、広めようということにしました。理事会にて公害総行動実行委員会の事務次長(大越宏樹氏)が提案し、割と好意的な反応がありました。でも、東京電力と比べて、電気が安くなるかどうかという話もでました。

そこで、パワーシフト・キャンペーンが推薦する電力会社から、市民がやっている、関東をカバーしている会社を3社選んで比較しました。その中からグリーンピープルズパワー(GPP)を選びました。決め手は電気を節約すると安くなる仕組みがあったからです。(注:電気消費量300kWhまでは東電と同じだが、301kWh以上になるとkWhあたり2円安くなる。ただし、基本料金は契約アンペアが20A以下は東電より割高)。あとGPPの会社が当法人の事務所と近いということもありました。

パワーシフトにつながる取り組みやビジョンを教えてください。:

環境に意識のある人も意外にまだ電力会社を切り替えていないです。身近に見えるところから変えることが重要でしょう。事務所の切り替えをきっかけに事務所のメンバーも何人か替えてくれました。

ここを拠点に切り替えていただく人を増やそうとしています。GPPのポスター100枚を取り寄せて、40以上ある参加団体や首都圏を中心とする関連の弁護士事務所に広報誌とパワーシフトのチラシともに送りました。事務所の玄関口にもポスターを張っています。また、自分たちの独自のチラシも作って、イベントの時など機会がある毎に、電気が切り替えましたかと配布しています。視察旅行でもバンフレットを配布しました。

「ここは8月に切り替えました。電気を切り替えましたか? 」と声を掛けることを一番大切にしていきたいと思います。

今後さらにパワーシフトを進めるため、どんな取り組みを考えていますか。:

普段電気を使っていますが、積極的に電気を切り替えることまではあまり意識していないようです。今、電気量の通知もネットとかメールでもらうようになると、メールを観ない人も多く、どの位電気を使っているかも把握していない人も多くなっていると思います。

電気会社を切り替えることは全然手間じゃない、領収証を持って申込書を書けば簡単だ、ということを、意識的な声かけによって、知らせていかないといけないでしょう。

パワーシフト・キャンペーンに一言!

パワーシフト・キャンペーンは誰にでもできる運動です。ほっておけば、「原発を応援することになるのですよ」と強調していかなければなりません。大手地域電力会社はどこも原発を推進したいからです。

鉄道会社系の電力会社の広告が電車の中吊りにあったり、ガス会社の広告があったりして、そちらの電力会社にもっていかれています。

北海道地震(2018年9月8日発生)でも中央集権型の電気の弱点が出たと思います。もっと地域分散型で安全性を保つ電力に、世の中を変えていかなければなりません。

(2018年11月)