非化石証書取引に関する見解と提言

現行の非化石価値取引では再エネを増やせない
―表示に関する小売営業指針改訂にあたって―

2020年12月4日
パワーシフト・キャンペーン運営委員会

非化石証書とは、再生可能エネルギー等の「化石燃料でない」発電方法による「CO2排出ゼロ」価値を、電気自体とは切り離して証書として市場流通させるものである。
2018年5月、「非化石価値取引市場」が創設され、FIT電源に由来する非化石証書(FIT非化石証書)の取引が開始された。さらに2020年度より、大型水力や原子力等も含め全ての「非化石電源」が対象となり、11月以降「非FIT非化石証書」の取引が開始された。しかし現行の制度では、新たな再エネの増加につながらずむしろ逆行する。需要家にとっても、証書の利用が真の意味で再エネの普及拡大や持続可能な社会づくりにつなげられない状況である。下記のような大きな課題があり、制度の見直しを求めたい。

(1)原子力や廃プラスチックは証書化すべきではない
(2)再エネの中でも追加性のあるものに限るべき、既存大型水力などは再エネ拡大につながらないため、証書化すべきでない
(3)現行の非化石証書制度では再エネの拡大につながらず、阻害要因となりかねない
(4)改めて電源構成の開示を義務化し、本来の電源と整合する形で証書を使うべき
(5)非化石価値証書はすべてをトラッキングし、種類を含めた表示を義務化すべき

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