【報告】中津川THE SOLAR BUDOKAN 2019 ~3.11からつながる現在と未来

2011年3月11日は日本に限らず、世界的にも忘れられない日となりました。安全神話が浸透し、その危険性を語ることさえもタブーとなっていた原子力発電所がこの日をさかいにふたたび危険で、取り扱いが非常に困難なものであることを思い出すことになりました。この日以降も私たちは原発のない社会を想像できないまま、危険な原発とともに生きるしかないように思われています。しかし、幸いなことに、その代わりになりそうなアイデアは様々な場所で育まれています。そのひとつが、今回パワーシフトの一員として参加させていただいた中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019(http://solarbudokan.com/2019/guide/)でした。まさにそのアイデアの実践し、その可能性を示すイベントでした。

 

2万人以上も動員するこの音楽フェスが魅力的なのは、その出演者のリストに限らず、その名の通り、「コンサートの運営に関わる電力のすべてを、太陽光発電でまかないます!事前に太陽光で蓄電した電気と、当日会場に設置する大量の太陽光パネルを組み合わせて、コンサート演出を展開」しているという点です。フェスといえば、音楽を楽しみにながら、自然を感じたり、屋外の開放感を満喫したりするのはすでに当たり前になりましたが、フェスを実施すること自体がすでにエコであり、新しいアイデアの実践になっているというのは、ほんとに素敵なことではないでしょうか。

 

2日間にわたるフェスのなかで、私たちは、再エネに注力する電力会社の紹介および「パワーシフト」の促進のため、ゼロノミクマと協力して、ブース出展をしてきました。ゼロノミクマはやはりどこにいても大人気で、すぐに子供たちが寄ってきて、道を塞いでしまいます。子供達の楽しそうな笑顔を見ていると、ご両親でなくても、気持ちが和んできて、平和な気分になれます。そういった平和な雰囲気の中で、大人に限らず、子供たちとも交流をし、この地球のため、自分たちの未来のためにも、電力会社の切り替えに取り組みましょうとアピールしてきました。

ゼロノミクマくんがピアニカを弾き始めると、黒山のひとだかりが。「すごい」「うまい」とみんな一心に見つめていました。お客さんのリクエストにこたえて、パプリカ、ドラえもん、千本桜、情熱大陸…と色んな曲をやりました。「リクエストもらった!お客さんのワクワク感がたまらない!」(スタッフ談)

新郎新婦に遭遇する場面も。しかも2組も!ゼロノミクマくんは、結婚行進曲と、カエラちゃんのbutterflyでお祝いしていました!「こんな事もそうそうなくてすごく幸せな気分になりました」(スタッフ談)

こどもソーラーブドウカンのオープニングで一緒に歌ったり踊ったりしてくれた多くのこどもたちありがとうございます!

 

また、ゼロノミクマくんをデザインしたみつろうくるくるキャンドル作りも、アイデア次第で多彩に作れて好評です。

 

(くるくるキャンドル作品例)

 

さらにブース内には、ソーラーパネルと充電池内蔵ランプのセットで構成されているモビヤランプを展示し、ソーラーで作ったでんきを自分で使えることをアピールしました。

(このモビヤランプはシュナイダーエレクトリックホールディングス㈱殿より、国際環境NGO FoE Japanに提供いただき、災害支援物資や気候変動アピールに使用させていただいているものです)

(シュナイダーエレクトリック社のソーラーランタン(中央)とゼロノミクマグッズ)

 

そのシュナイダーエレクトリックホールディングス㈱の社員の正岡優美さんに参加いただきました。

「自社の製品が実際の停電で役に立ったというお話が聞けたことはちょっと泣きそうになったくらいうれしかったです。他の従業員にもこんな素敵な体験をしてもらいたい。今後も一緒に活動させていただける場をいただければこんなにうれしいことはありません。自然エネルギーの輪が広がりますように!!今後ともよろしくお願いいたします。」(正岡優美)

 

このブースでの対話を通して、「切り替えたい」「すでに切り替えをした」という方々の声を形にする「パワーシフト宣言」を集めていき、現在は新たなキャンペーンにつなげています。そのキャンペーンとは「みんなでめざせ!パワーシフト電気料金1億円 http://power-shift.org/100m/」というものです。私たち市民が電力会社を自由に選べるようになってすでに3年が過ぎ、いわゆる新電力は全体としてのシェアは14%ほどとなりました。ですが、上記のような私たちが応援している再エネを中心とした電力会社(現在紹介30社今後も増加予定)はそのうち1%にも満たないのが現状です。そういった状況をすこしでも変えていくには市民一人ひとりの力が、そしてその力を一つの集約させていくことが重要だと思っています。今回の中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2019には本当に多くのお客様が参加されています。その方々とこういった楽しいイベントを通して一体になり、この社会のためになること、社会を良い方向へ進めていく一助になれることは大変光栄なことでした。今回の出展を通して、すこしでも持続可能な再生可能なエネルギーの普及に貢献できればという思いがいっそう強くなりました。

 

先日の国連気候行動サミットでのグレタ・トゥーンベリ氏のスピーチが日本でも注目を浴びるようになり、気候変動への対策を求める声が高まっているなと実感しています。「パワーシフト」をすることは私ができる対策のひとつになると確信しています。一人ひとりができることはそこまで大きくないかもしれないですが、しかし多くの人が行動し、意識を変え、その事実を共有していくことからしか変化は訪れないと思います。これからもゼロノミクマとともに再エネの普及のため活動していきたいと思います。

 

 

(2019年10月 石原 遼平)